得意領域
抗菌めっき
抗菌めっきとは細菌の増殖を抑制する金属表面をめっきで作る技術です。
抗菌めっき(Antibacterial
Plating)の抗菌の定義は「殺菌、滅菌、消毒、除菌、静菌、制菌、防菌、防腐、防カビ」など全て含みます。また学術的には微生物に対しての「抗菌」であり、ウイルス、細菌、菌類(酵母、カビ、キノコなど)、微細藻類、原生動物などすべてに対して、それらの増殖に影響を及ぼすことができるものは「抗菌」となります。
経済産業省の抗菌加工製品ガイドラインによりますと「抗菌加工製品」における「抗菌」とは、「当該製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」と定義されています。
PROCESSABLE TYPESゴールドスミスで
処理可能な
抗菌めっきの種類
- イエローゴールド
めっき
- ピンクゴールド
めっき
- シャンパンゴールド
めっき
- 銀めっき
- 銅めっき
用語 | 意味・定義 |
---|---|
微生物 | 細菌と真菌。細菌、ウイルス、菌類(カビ・酵母等)、藻類、原生生物、粘菌等の総称 殺菌、滅菌、消毒、除菌、静菌、制菌、防菌、防腐、防カビなどをすべて含む |
滅菌 | 対象物内外の微生物すべてを殺す、あるいは除去する |
殺菌 | 対象物内外の微生物の一部またはすべてを殺す 対象物内外の病原性微生物の殺菌 |
静菌 | 対象物内外の微生物の増殖阻止 |
制菌 | 対象物内外の微生物の種類を特定した増殖阻止 |
除菌 | 対象物内外の微生物を除去 |
防菌 | 対象物内外の微生物の増殖を阻止および殺菌 |
防腐 | 食品、医薬品、化粧品、その他材料の腐敗の防止 |
防かび | 対象物内外のカビの増殖を阻止および殺菌 |
CERTIFICATION抗菌製品の認証
JISは国際規格であるISO(ISO 22196)に基づいていますので、国際的に「抗菌製品」の基準については共通のものが定められているということになります。また各業界団体が策定した基準と認証マークがあります。
- SEKマーク
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SEKマークは機能性繊維を対象にした製品認証マークです。「S:清潔」「E:衛生」「K:快適」の頭文字をとったものです。
抗菌防臭加工、抗ウイルス加工など様々な高機能性繊維製品に対して、機能性及び安全性を第三者試験機関による試験、その試験結果の第三者委員会による評価をもとに、製品認証を行い、SEKマークが提供されます。
- SIAAマーク
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SIAAマークは繊維製品以外の抗菌加工製品を対象として、抗菌製品技術協議会(SIAA)によって認証されたマークです。
①抗菌効果のあるもの ②防カビ効果のあるもの ③その双方の効果があるもの ④抗ウイルス加工
これら4種類に関する認証マークがあります。
- 抗菌SIAAマーク
-
抗菌加工が施された物で抗菌加工がされていない製品の表面と比較して、細菌の増殖割合が100分の1以下であり、なおかつ耐久性試験にも合格し、安全性基準を満たしたものにのみ、この認証が与えられます。
また、使用する抗菌剤は万が一飲み込んだ際の毒性、皮膚に触れたときの炎症の有無、DNAへの影響、アレルギー反応といった4つの項目に関する試験に合格した安全性の高い物が用いられています。
- 防カビSIAAマーク
- 防カビ加工が施された物で防カビ加工がされていない製品の表面と比較して、特定のカビの生育が基準より抑えられることが確認されていること、製品や使用する防カビ剤がSIAAの安全性基準を満たしていることなどの基準を満たしたものにのみこの認証が与えられます。
- 抗ウイルスSIAAマーク
- 抗ウィルス加工が施された製品物で、特定のウイルス数を減少させる効果が確認されていること、SIAAの安全性基準を満たしていることなどの基準を満たしたものにのみこの認証が与えられます。
PRINCIPLE抗菌めっきの原理
めっき皮膜から微量溶出した金属イオンが細菌の細胞内に侵入し、生体機能を阻害することで抗菌効果を発揮すると考えられています。
抗菌性のある金属
- 薬剤の様に強力な殺菌作用は示しませんが、極微量で細菌の増殖を持続的に抑制できるという特長があります。
銀、銅、亜鉛、ニッケル、コバルトなど。
MERIT抗菌めっきのメリット
抗菌めっきは、素材の表面に「殺菌、滅菌、消毒、除菌、静菌、制菌、防菌、防腐、防カビ」などの
抗菌効果のある金属膜を生成する技術で、母材の特性を維持する事が出来ます。
例えばステンレス製品など耐食性に優れるという特長を、アルミ製品など軽量金属に抗菌機能のみ付与することができます。
また銀などの高価な金属の使用量を低減できるためコストを削減しやすくなり、軽量化にも貢献できます。
抗菌めっきがよく使用される場所や、具体例
- 医療機関|福祉環境
- レンタル用に使用される車椅子や松葉杖、体温計、イルリガートル台、回診車、ベッドや転倒予防の手すり、ドアノブ(取って)等
- 住設機器|水処理関連
- ドアノブ(取って)、浴槽の排水溝蓋、排水溝やシンクの網等のキッチン用品、水洗金具、トイレットペーパーホルダー等
- 教育研究等で使用される理化学機器
- ハサミ、ボール、トレー、検査機器の部品等
- 理美容、健康関連
- ハサミ、ヘアアイロン、ドライヤー、椅子、健康器具、美容器具等
- 食品機器、食品厨房
- 給食カゴ、取って、食器、設備部品等
EFFECT MEASUREMENT抗菌効果の測定方法
JIS Z 2801に基づいて試験することで効果を測定します。
「JIS Z 2801抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」では、「製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態」と定義されています。
これにカビや酵母などの真菌類は含まれません。
抗菌加工製品の定義
表面の細菌を増殖させない様に加工されている製品を抗菌加工製品と言います。
JIS(日本工業規格)では、加工されていない製品の表面と比較し、細菌の増殖割合が100分の1以下(抗菌活性値2.0以上)である場合、その製品に抗菌効果があると規定しています。
JIS Z 2801抗菌性試験方法・抗菌効果
- 01.
- シャーレ内の試験片(5cm×5cm)に試験菌液0.4mlを滴下し、フィルムをかぶせ、シャーレの蓋をします。
- 02.
- シャーレを35℃、90%RH以上で24時間培養します。
- 03.
- SCDLP培地10mlを加えて、フィルムと試験片から試験菌を洗い出し、液中の菌数を寒天平板培養法により測定します。
- 04.
-
下記の式に従い抗菌活性値を算出します。
抗菌活性値=log(無加工試料1㎠当たり・培養後性菌数)− log(加工試料1㎠当たり・培養後性菌数)