白金めっき
(プラチナメッキ)

白金族金属は6元素から成り、周期律表8族に属します。12g/㎤の軽白金族であるルテニウム、ロジウム、パラジウムと密度が約22g/㎤の重白金族であるオスミウム、イリジウム及び白金に区別され、白金族元素は金、銀と一緒に貴金属と呼ばれています。

白金族元素は非常に耐蝕性に優れているので、卑金属部品の防食用途に適しています。

酸に対して白金族金属は、一般的に非常に安定ではありますが、その中でパラジウムは最も弱く硝酸に溶解します。

王水(塩酸3部+硝酸1部)に対して白金、パラジウム、オスミウムは室温で溶解しますが、ロジウム、イリジウム、ルテニウムは安定です。

これら6元素を原子番号順に並べ物性データを表1に示します。表の中で比較的需要の多い白金めっきについて説明します。

表1:白金族金属の物性データ

性質 Ru
ルテニウム
Rh
ロジウム
Pd
パラジウム
Os
オスミウム
Ir
イリジウム
Pt(白金)
プラチナ
原子番号 44 45 46 76 77 78
原子量 101.07 102.905 106.42 190.2 192.22 195.08
密度(g/㎠) 12.45 12.41 12.02 22.61 22.65 21.45
硬さHV(Kg/㎟) 200~500 130 50 300~680 200 48
融点(℃) 2310 1966 1554 2691 2457 1769
沸点(℃) 3900 3960 2970 5200 4725 3827
抵抗率(µΩcm) 6.7 4.34 9.725 8.2 4.7 9.825
電気化学当量 0.96 1.28 1.96 - 1.80 3.62(n=2)
82(n=4)

INDUSTRIAL PLATINUM PLATING工業用白金めっき

工業用に使われる白金めっきは、装飾用とはまったく違います。

多く用いられる分野に、「電極に加工する白金めっき」があります。これらを用途別に分類しました。(図1)

図1:電極の用途別例

電極の用途別例

HYDROGEN GENERATING ELECTRODE水素発生電極

水を電気分解して水素を分離することが出来ます。

装置内に電極としてチタニウム(以下チタンと略す)材に、白金めっきした電極が使われる「水素発生装置」の概略を図2に示します。

図3は電解槽のメカニズムを説明しています。

図2:水素製造プロセス

水素製造プロセス

図3:電解槽の製造

陽極反応2H2OO2 + 4H+ + 4e-

陰極反応4H+ + 4e-2H2

トータル反応

2H2O2H2 + O2

電解槽の製造

ADVANTAGESゴールドスミスだからできるめっき加工

電極分野において他社の状況、自社の現状の優位性は以下の通りです。

性質 他社の状況 当社の状況 当社の優位性
技術と特徴

技術の優位性
チタン材への白金めっき加工のできる会社が極く少ない。 チタン材の板※1、ラス板※2、不織布※3上のすべての白金めっきを確立している。 大型のチタン材の白金めっき加工を可能にした。
最大寸法は、600×600㎜※4
技術的な課題

優位性の確立方法
難めっき材チタンへのめっき技術がない。白金は高価な為に技術がないと扱えない。 20年以上チタン材の白金めっき加工を行ってきている。 当社の最大のメリットは白金塩を購入して反応させ、めっき液の成分として使っている。(自家浴)
  • 1,2図面をご提供いただければ素材からめっきまで一貫生産が可能です。部分めっきも可能で、白金の厚さも0.1µmから4µm程度まで可能です。
    出荷時に検査表を添付して、品質を保証します。
  • 3特殊多孔質構造体とは、20~50µmのチタン線を圧縮成形した電極です。 空隙率50~70%程度の素材で難物めっきとして加工します。
  • 4大型電極 300枚/月、中型電極 500枚/月、小型電極 1,000枚/月、それ以上のサイズ、産量はご相談ください。

PROCESS水素電極加工工程

通常は以下の工程で加工をしています。

素材

洗浄

素材重量
測定※1

治具掛

前処理

ブラスト
加工

化学処理

白金めっき
加工

後処理

重量測定

蛍光X線
膜厚測定

検査

梱包

出荷

  • 素材がラスの場合、表面が凹凸で複雑なため蛍光X線による膜厚測定が困難なので白金の付着量で保証します。
    板の場合は直接蛍光X線膜厚測定を行いますが、一般的なめっきと違って厚さの均一性が悪いので電着量での保証が一般的です。

EFFECTIVENESS白金めっきの有効性

01.独自に開発した白金めっき液
これまでに培ってきた多数の加工実績を基に研究・開発を重ねてきた独自のノウハウにより、高温下の使用や耐食性の要求に対して十分な性能を発揮する白金めっき液の確立と加工技術を保有しています。
他社で断られるような白金めっき加工、他社の加工で期待した性能が発揮出来なかったケ-スなど諦めずにご相談ください。
02.徹底しためっき皮膜、液の品質管理
めっき液の管理にはICP分光光度計により白金濃度を測定し、品質の安定化を図っています。
めっき厚さについては重量法と蛍光X線膜厚計によって厳密に管理しています。
03.白さに拘る白金めっき
装飾用の白金めっきは余り認知されず、広まっていません。もともとプラチナ金属の色調は暗く余り美的ではありません。
しかし、結婚する時にダイヤモンドリングをプレゼントされる方が多くいらっしゃいますが、素晴らしく白くさんぜんと輝いています。
最終仕上げでロジウムめっき処理をしているからです。
そのように本来プラチナは暗いイメ-ジですが、弊社のプラチナはロジウムめっき程度の白さを持っています。
「装身具類」や「リング」、「ネックレスチェーン」に加工においても大変好評です。ぜひお試しください。
04.迅速な納期対応
白金めっき電極の場合、お客様が使用中に不具合でめっきが上手できず、調べたら電極の表面の白金が取れて電流が流れないで困ったという事例があります。そのような時に弊社はOne-Dayサ-ビスを行っています。是非お声を掛けてください。
装身具類でもリング一個、チェーン一本でも加工しています。
変色したが代々引き継がれた大切な品物なので綺麗にしてみたいと思いましたらご一報ください。